My Angelic Girls


 
 「ねぇ、ごっちんさぁ。」
 「んー?なに〜?」
 ひとみの言葉に真希は何気ないように答える。いつもの娘。の楽屋だった。わずか2週間後に「後藤真希」の卒業を控えているとはとても思えない。それぐらい楽屋は和やかだ。
 「ごっちん卒業ライブの週、やっぱ会えないかな?」
 ひとみは、真希の顔をまじまじと見て言った。
 「え、それはうれしいけど、その梨華ちゃんとの約束が…。」
 真希は、しどろもどろに答え、流し目で梨華の方を見る。
 ほら、また梨華ちゃん?ひとみは思った。真希は、いつでも困ったときは梨華の方を見ている。高校を退学するときだってあたしとつきあうときだっていつもそう。真希は、大事な相談も悩みはいつでも梨華にしているようだった。自分にだけ心を開いてくれないようでひとみは、いつもそれが不満だった。
 「ごっちんとつきあっているのは梨華ちゃんじゃなくてあたしなんだよ。」
 時々そう言いたくなる。
 「何だ。そういうことだったらさ。あたしが予定ずらすよ。」
 梨華が柔らかな笑顔を浮かべてひとみと真希の方へやってきた。
 「あたしと一緒に料理作るのは・・・。その次の金曜は、よっすぃーは新生プッチの収録でしょ?その時ごっちんはフリーだしこの日にすればいいんだよ。」
 梨華が予定表をめくりながら子供に言い聞かせるみたいに真希に説明している。
 「でも、その日梨華ちゃんも仕事じゃないの?」
 真希が心配そうに言った。
 「あたし?あたしは別に大丈夫だよ。二人に合わせるからね。」
 と梨華は余裕の表情を見せる。
 いくら何でも、それじゃ梨華に悪い。ひとみは断ろうと思った。
 「ほんと。やったー!さっすが梨華ちゃん。話し分かる!」
 でもその前に真希がそう言ってしまっていた。さながら甘えん坊の子供のようだ。
 真希は、どうしてそんなわがままをあたしには言ってくれないんだろうと思う。自分が恋人なんだから自分を一番頼ってほしいとひとみは正直思った。でもひとみにとって疑問なのは、何でこんなに二人が仲がいいかだ。
ザ・ピースの頃、ひとみとつきあう前の真希は、梨華をさんざん邪魔にしていた。センターはとられるし、何より梨華は自分と一番仲が良かったからだとひとみは思っていた。そんな真希を今では、梨華は目に入れても痛く無いみたいに可愛がっている。
確かにあたしは最初に梨華ちゃんを見たときにあぁこんな子とつきあえたらいいだろうなって思ってしまったことは確かだ。つきあう前も後も梨華ちゃんに勘違いさせるようなこともたくさんしてしまったのも事実だし。でもこんな形で逆襲されるなんて。ひとみは不満そうに梨華を見た。梨華は、ひとみの視線に気付くとくりっとした優しい笑顔で返してきた。
梨華はまた真希とまた楽しそうに話し始める。ひとみは、ふぅーっとやり場のないため息をついた。そして今度は、不満の矛先が真希に向かう。
ごっちんもごっちんだ。いくら年下だからっていっても、ごっちんはあたし達の先輩なんだ。何であんなに梨華ちゃんにお姉さんぶられて平気なんだろう。もっと最初に出会った頃の、プライドが高そうで近寄りがたいビームをもう少し出してくれてもいいように思う。そうそれでなきゃ後藤真希じゃない!でも、あの頃のごっちんのより今の方がダントツに人気は上がっているのも確かだし。それに何と言っても今のごっちんはけた外れに可愛い。それを思うとひとみは、またため息をつくしかなくなった。今回のことも結局、梨華ちゃんがあたし達のために日にちをずらしてくれた。
このまま卒業したらあたし達どうなるんだろう。ひとみは、漫然とした不安にかられた。
「これで、やっとあたしとよっすぃーは仕事仲間やライバルっていう関係が消える。ただの恋人同士だね。」
真希は、この頃楽しそうにひとみにそう言っていた。確かにそうかもしれない。でもひとみ自身はそういう関係に頼ってきたのも事実だった。あたしも誰かに頼りたい。ひとみは思った。
「こんな気持ちの時ごっちんだったら梨華ちゃんに頼るんだろうな…。あたしには梨華ちゃんは、頼れない。梨華ちゃんはいったんでもあたしが好きになってしまった人だ。今さらそんな都合のいい関係になんて・・・あたしは虫がよすぎる!」
ひとみはそう思い直して、We’re ALIVEの振り付けに向かう。真希が懸命に踊っていた。近頃の真希は、いつもの魅力100倍だった。濡れたように見える真希の瞳に釘付けになってしまう。ひとみは真希に見とれて何回も自分のパートを間違えてしまう。それを見た梨華がクスクスと笑っていた。ひとみは、恥ずかしくて目から火が出そうだった。
真希の卒業が1週間前に迫った。大丈夫だ。たとえ、ごっちんが卒業したってあたし達はまたうまくやっていける。こんな心配してるのはあたしだけだ。ひとみは、そう思いこもうとしていた。真希から電話がかかってきたのは、そんな時だった。
「もしもし、ごっちん?」
「よっすぃ〜。あたし、本当は卒業なんてしたくない。よっすぃーと離れたくないよ。」
聞こえてきたのは泣きそうな真希の声だった。
「え?ごっちん一体どうしたの?」
ひとみは、あまりに驚いた。真希からこんな調子で電話がかかってきたことは今まで一度だってなかったのだ。「いつかあたしはソロの歌手になる!」真希はそう言って生き生きとした目を輝かせていたはずだった。安っぽい言葉で真希を傷つけたくない。こんな時、ひとみはどう言っていいか分からなくなる。
「今までずっと我慢してきたけど、もう無理だよぉ。今まであたし達がうまくいってきたのって、よっすぃーがプッチの収録や娘。の仕事でずっとあたしの側にいてくれたからだよ。離れ離れになったらあたし達どーなっちゃうか分かんなくなっちゃった。」
「ごっちん!大丈夫だって。あたしは、ずっと側にいるよ。」
ひとみは動転して答えた。
「こんなことになるなんて。あたし梨華ちゃんに騙された!」
真希が突然梨華の名前を出した。
「え!?梨華ちゃん?」
ひとみは、訳も分からず聞き返す。
「だって梨華ちゃんだよ。あたしに最初に卒業考えたらって言ったの。」
そんなことを真希の口から聞くのは初めてだった。
「ザ・ピースの時、梨華ちゃんあたしに言ったんだ。ごっちんが出来ることをもっともっとするためには卒業を考えた方がいいって。そのためには今のうちから準備しなきゃねって。その時は、あたしよっすぃーことつきあえるなんて思ってなかったからその通りだって思った。でも今になったら、あたし、やっぱ仕事よりもよしこの方が大事なんだって分かったんだ。あたし、生き方変えるんだ。もう梨華ちゃんには騙されない!」
電話口で、決心したように真希はひとみに話し続けていた。
「生き方を変えるって?」
すっかり真希にペースをにぎられて、ひとみは尋ねることしかできない。
「よしこ、あたしと一緒に駆け落ちしてよ。」
はっきりとした真希の声が聞こえてきた。その瞬間から、ひとみには何をどうしたらいいのか分からなくなった。駆け落ちを止めた方がいい?梨華ちゃんの誤解だって解かなきゃ。梨華ちゃんはごっちんのためをいつも思ってくれてる。あたしはどうしたらいい?分からない。あたしは、ごっちんが好き。それしか分からない。
「あたしのこと思ってくれるんなら来てくれるよね。」
真希は、そう言って伊豆にあるホテルの名前をひとみに告げた。
このままごっちんと駆け落ちしたらどうなるんだろう。大騒ぎになって好きな歌が歌えなくなって。ううん。そんなことよりごっちんの方が大事だ!ひとみの頭の仲がぐるぐる回っていた。そして気がついたら梨華に電話をかけていた。
「あたし、どうしたらいいんだろ?」
こんなことばっかり言ってる自分が情けない。
「行くしかないんじゃない?伊豆に。」
こんな緊急事態なのに梨華の声は落ち着いたものだった。それでいて人を安心させるような声だ。
「よっすぃー?」
電話口で優しい梨華の声が響く。
「連れ戻さなきゃなんていろんなこと考える必要なんてないんじゃない?ただ、ごっちんが伊豆にいる。から会いに行くんだよね。」
梨華が言った。
それでもひとみには自信がない。さっきの真希の電話は、今までのひとみが知らない真希の激しい姿だった。
「梨華ちゃん?一緒に行ってくれないかな?」
あたしは、卑怯者だ。都合の良いときばっかり梨華ちゃんを利用して。あたしは、どれだけごっちんとのことで梨華ちゃんを傷つけてきたんだ。ひとみは思った。
「ごっちん、あたしに騙されたなんて言ってたの?全くしょうがないな〜。」
真希について何を言っても梨華は相変わらず余裕だった。
駅で梨華と合流し、一路伊豆へ向かう。夜の電車がひたひたと都会を離れていく。隣には、お気に入りのスカートをはいた梨華が座っていた。まるでデートするみたいな格好だ。ひとみは、梨華とつきあっていた時のことを思い出した。
ごっちんに市井さんがいたようにあたしには、梨華ちゃんがいた。でも今のあたしと梨華ちゃんの関係は、元恋人?親友?友達?恋敵?どれなんだろうか。ひとみの気持ちは揺れっぱなしだった。
真希が泊まっていた旅館は切り立った断崖絶壁の上にあった。今、自分が置かれている状況が象徴されているようでひとみは足がすくむ。ひとみは、とりあえず下の海岸から真希に電話をかけた。
「ごっちん?」
ひとみは、言葉を選びながら何ともぎこちなく真希に話し始める。
「梨華ちゃんもいるんだ。ふうん。よっすぃー自分じゃ手に負えないと思って昔の恋人頼り?梨華ちゃん頼りになるもんねぇ。」
ひとみは、真希の嫌味なんて初めて聞いた。ごっちんって女の子なんだなと思う。でも真希は、ひとみが思っている以上に怒っているようだった。
「あたしが、こんなに悩んで決心してきたのに梨華ちゃんなんてつれてくるなんて。あたしがやってることってそんなに子供?馬鹿にしてるよ!」
「ご、ごめん。そんなつもりじゃ…。ごっちん、梨華ちゃんのこと誤解してると思ったらから梨華ちゃんもつれてきただけで…。」
ひとみの弁解はいつも白々しく聞こえてしまう。
「あっそ。もういいよ。あたし、独りで駆け落ちする。娘。もやめる。よっすぃーもいっそのこと梨華ちゃんとより戻せば。」
そういうと真希は、電話を切ってしまった。逆効果だった…。やっぱりな。あたしって何でいつもそうなんだろ。ひとみは、また自己嫌悪に陥る。女の子なのに女の子の気持ちがよく分からない。
岩にすがるようにして空を眺めた。満天の星。東京じゃ絶対みれないぐらいきれいだった。こんなとこごっちんと二人っきりで旅行にこれたら楽しいだろうなぁ。ひとみは、こんな状況より、楽しいことを考えたかった。真希はひとみといるときだけ、いつもより3倍ぐらい笑っていた。それが、ひとみにしか出来ない必殺技。それが真希とつきあっていて何よりもうれしいことだった。
「うん。分かってるって。そりゃよっすぃーだってそんなことぐらい考えてるよ。だからごっちん!そんなふうに考えちゃ駄目だよ。」
向こうから梨華の声が聞こえてきた。明らかに真希と電話している。何で梨華ちゃんがこんな状況でごっちんと普通に会話してんの?もうひとみには何が何だか分からない。
「梨華ちゃん。ごっちんと話してる?」
思わず聞いた。梨華は、何気ないようにうなずく。
ひとみの中で何かがはじけた。ごっちんの恋人は、あたし。梨華ちゃんじゃない!あたしの恋人はごっちん、梨華ちゃんじゃない!あの明かりがついた部屋にごっちんがいる。あたしは、恋人だから分かるんだ。梨華ちゃんには絶対にそれは分からない。
「あたし、崖を登る!」
ひとみの結論は一つ。梨華と勝負だ。あたしがごっちんを助けに行くんだ。ひとみがやれることは、行動一つしかないと思った。
「無理だよ。よっすぃー本気?」
「玄関から部屋入ったら旅館の人起こして大騒ぎになるでしょ!崖から登るしかないんだよ!」
止めようとする梨華を振り切ってひとみは、崖を登り始めた。
「ごっちん!今行くからね。」
そう思ったひとみは、無我夢中で崖を登っていった。いつのまにか梨華も必死であとをついてくる。
「負けてらんない!」
ひとみは、さらに力を全身にこめて崖を登っていった。何て泥だらけの崖なんだろうと思う。顔から靴まで体中に泥がへばりついている。さらに下で登ってる梨華を見てひとみはぞっとした。きれいな茶髪の髪、顔、ひらひらのスカート、上品そうな靴まで全部が泥だらけだったのだ。
「ひとみちゃん。あとどれくらい?」
梨華が口から泥を吐きだしていった。梨華には全くひるむ様子もない。顔の表情は何だか充実してそうにさえ見える。何で梨華はここまでのことが出来るんだろう。ひとみは不思議だった。一体誰のため?ごっちん?それともあたし?
「梨華ちゃん。一体誰のために登ってるの?」
「え、何―?」
梨華は、手を耳まで持っていって聞こえないという仕草をした。梨華の足元は滑りやすくて必死に地面にへばりついている。
ひとみは我に返った。あたしが何とかしなきゃ。ひとみは思った。
「ごっちーん!あたし達ここにいるぜぃ。」
思いっきり上に向かって叫ぶ。その声は確かに上にいる真希に届いた。明かりのある部屋の窓ががらっとあいたのをひとみは見た。
いた!やっとごっちんに会える。ひとみは思った。
「よっすぃ!こんなことまでしなくていいよ!さっさと帰って!!!」
でも真希から届いた声は、ひとみへの拒絶だった。こんな状態でごっちんに会ったってまたあたしとごっちんで喧嘩になる。梨華ちゃんだっていくら泥だらけになってごっちんの側にたどり着いたとしても、ごっちんに歓迎されるわけがない。ひとみの足が止まった。全部あたしのせい?どうしたらいいんだろ。不意にそう思った。あたしは、誰の気持ちにも答えられない。その時にひとみはふと梨華を見た。梨華は今の間に一気にひとみを追い抜いて崖の頂上までいたのだ。そしてその上に真希が姿が見えた。
「あ!危ない!!!」
ひとみは叫んだ。真希と梨華が折り重なるように崖を落ちていったのだ。でも幸い崖は急斜面じゃなくて、しばらくして二人は止まった。
「二人とも大丈夫?」
ひとみは叫んだ。
梨華が真希を抱きかかえるようにして手を振った。やっとひとみはほっとする。
ひとみは、二人が取っ組み合いでもして落ちたのかと思ったけどどうやら違うらしい。
「よっこらせーっと。もう〜。ごっちんちゃんとたってよ。」
「痛い。痛いって梨華ちゃんそんな力で引っ張らないでよ。」
梨華が、崖の上に真希を引きずり出した。
「はい。よっすぃーにプレゼント!」
梨華が優しく真希を支えてながらひとみに言った。
「プレゼント!?」
ひとみは訳が分からなくて言った。
「はい、これ。」
梨華は、真希をひとみの前に突き出す。
「ちょっと待ってよ。そんな人をものみたいに。」
真希は、つんとして言った。
「ちょっとごっちん!そんなこと言える立場?こんなとこまで来てあたし達に心配させて。あたしは慣れてるからいいけど、よっすぃーはどれだけごっちんのこと心配したか分かってんの?」
今度は梨華が怒ったように言った。
ひとみは、真希は何か言い返すと思ったけどそのまま真希は黙りこくっていた。
「ごっちん、素直になんなよ。」
梨華は優しい表情にもどって真希に言った。
「よっすぃー。ごめん。本当にごめんよぉ。あたし寂しかったんだぁ。あたしが卒業した後、よっすぃーがどれくらいあたしのこと思ってくれてるのか試したかった。でもあたしって馬鹿だ。そんなことする必要なかったのに。」
真希は、そういうとひとみに近づいてもたれかかってきた。ひとみは、優しく真希を抱きかかえた。
「はぁー。でもごっちん怪我無くて良かったぁ。」
梨華はそう言って、二人を見るとそばにあった石にこしかけた。
ひとみは、しばらく真希を受け止めていた。柔らかい真希の肌だった。真希の軽い息遣いとともに肩が震えてるのを感じた。
こんなに不安だったんだ。ごめん。ごっちん見てたらいつも眩しくて心配することなんて出来なかったよ。でもこれからは、違うから。いっつもいっつもごっちんの側にいてずっと心配してあげるから。ひとみは真希を抱きしめながら思った。
でもそのうち、真希がさらに肩を震わせてクスクスと声を上げてるのにひとみは気づいた。
「ごっちん?」
不審に思ってひとみは言った。
「よしこ、梨華ちゃんよく見てよ。あれってバイオハザードのゾンビだよね。」
真希は、梨華を横目に見て言った。
確かに。服は破れて引きずるように垂れ下がってるし。全身泥だらけ。のそのそ歩きまわってる姿はまさに怪物。
「「ぷっ。あははっはは。」」
我慢できなくなって同時に笑ってしまった。笑ってるうちにどんどんと心が軽くなった。
「な、なに!?」
梨華が不審そうに聞く。
「何ってそのゾンビみたいな格好に決まってるじゃん!」
梨華に遠慮のない真希はストレートに言う。
「ちょっと、ごっちんもよっすぃー!いくら何でも笑いすぎだよ!」
梨華がいい加減怒り出していった。
「さぁ!!二人とも部屋入るよ。」
梨華が二人に促すように言った。
着替える力もなく、3人は畳につっぷした。ひとみは、まだ笑いがおさえきれずに笑ってる。「怖い!怖いー!」っていいながら真希と一緒にしたゲームなのに、梨華を簡単にゾンビって言えちゃう真希がおもしろかった。
梨華ちゃん。ごっちん。二人には本当に負けたよ。あたしのノックアウト負けだ。ひとみは思った。こんなピンチの時にごっちんやあたしをこんなに笑わせられるなんて、やっぱ梨華ちゃんてすごい。あたしが出会ったときの梨華ちゃんよりももっともっと成長しちゃったね。ごっちんは、あたしの一番の親友にしちゃおうと思ってたのに。どんどん惹かれていっちゃった。告白されたのは、あたしの方なのにあたしの方がどんどんごっちんを好きになっていっちゃったんだ。でもそれでいい。うん!あたしはあたしだ。あたしが思ってるようにやればいいんだ。
梨華ちゃんやごっちんがいっつもすごいわけじゃない。それにあたしには、この二人がついてる。梨華ちゃんには振り回されるし、ごっちんの笑顔見てたらいつも、でれでれになっちゃうけど。それでもあたしはあたしでいいんだ。ひとみは、ずっと笑いつづけながらそう思っていた。
 
My Angelic Girls」完




 
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